緩和ケアチームの紹介

緩和ケアチームの紹介

辻 哲也医師

辻 哲也医師

これまで、がんの進行や治療によって受けた身体的なダメージに対し、積極的な対応が行われることは、ほとんどありませんでした。医療従事者にしても、患者さん自身にしても、「がんになったのだから仕方がない」というあきらめの気持ちが強かったからです。しかし、がんやその治療によって、様々な障害が生じると家庭内での生活や学校や仕事復帰にあたって大きな障害となり、QOL(生きることの質)は著しく低下してしまいます。

緩和ケアのリハビリでは、“余命の長さにかかわらず、患者さんとそのご家族の要望(Demands)を十分に把握した上で、その時期におけるできる限り最高の日常生活を送れるようにすること”を目指します。がんの生存率が向上し、がん患者さんのQOLが求められるようになる中、リハビリの重要性は、さらに高まっていくでしょう。より高い効果を得るためには、患者さん自身がリハビリの必要性をよく理解し、がんと診断された直後から主治医と相談しながら、リハビリ・スタッフのサポートを積極的に受けていくことが大切です。

障害には、脳や脊髄の腫瘍による手足の麻痺、舌やのどの癌により、話すことや食べ物を飲み込むことの障害、乳がん術後の肩の運動障害、乳がん・子宮がん術後の腕や足のむくみ(リンパ浮腫)、抗がん剤や放射線治療で安静が続くことによる手足の筋力や体力の低下、骨や筋肉のがんによる歩行障害などが挙げられます。

慶應義塾大学病院リハビリテーション科では、悪性腫瘍(がん)は治療対象患者さんの3割を占め、主要な対象疾患となってきており、日々、がんのリハビリに取り組んでいます。緩和ケアチームにおいても、身体的な問題を抱えた患者さんに対してリハビリに関するアプローチを行っていますので、リハビリをご希望される場合には、緩和ケアチームのスタッフにお声かけください。

さいごにまとめとして、がんのリハビリ4カ条をご覧ください。

  1. 1.がんの進行や治療により身体的なダメージを受けても「がんになったのだから仕方がない」とあきらめないようにしましょう。
  2. 2.患者さん自身がリハビリの必要性と利点をよく理解しましょう。
  3. 3.がんと診断された直後から、リハビリスタッフのサポートを積極的に受けて行きましょう。
  4. 4.化学療法や放射線治療による副作用、術後の後遺症、末期の疼痛緩和やQOL改善にもリハビリは有効です。

さらに詳しく知りたい方への書籍とwebサイトの案内宮田知恵子医師

(一般向け)
がんナビ http://cancernavi.nikkeibp.co.jp/
がんを生き抜く実践プログラム (NHK出版)
がんを生きるガイド(日経BP社 )
がんサポート(2008年4月号・6月号・8月号)(エビデンス社)

(医療者向け)
がんのリハビリテーション http://www.cancer-reha.com/
悪性腫瘍(がん)のリハビリテーション(金原出版)
実践!がんのリハビリテーション(メヂカルフレンド)

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