緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2011年

2011/06/01
緩和ケアチーム便り

慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科 冠城 拓示

昨年度、がんプロフェッショナル養成コース大学院カリキュラムの一環として、緩和ケアチームで研修させていただきました。緩和医療を学ぶにはあまりにも短い期間ではありましたが、大変有意義な研修を受けさせていただきました。
私自身はこの4月から大学病院を離れ、新たな勤務地で日々勉強させていただいております。

緩和ケアチームでの研修を通して一番に感じたことは、緩和医療には絶対的な正解は存在しないということです。それぞれの患者さんは、みなさん違った環境で過ごしていらして、その背景は当然ながら千差万別です。疾患に対する考え方、とらえ方も一様ではありえません。私たち医療者は、つい、「自分だったら・・・」、「自分の親族だったら・・・」と、患者さんを置き換えて考えがちでありますが、それがはたして患者さん御自身の価値観に則したものかというと、必ずしもそうではありません。

患者さんの年齢も私などより年配の方が多く、そもそもそのような人生の大先輩方と私の考えが同じであるはずがありません。

患者さん・ご家族とお話しし、それぞれの価値観を共有し、より快適な時間を過ごして頂くことこそが、緩和医療の原点ではないだろうか思いました。

今後も、よりよい医療が提供できる医師になるべく、日々努力してまいります。

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