活動報告

第9回 城西緩和ケア講演会を開催しました。

日時 2018年11月8日(木)18:45〜20:30

場所 新宿住友スカイルーム「room1」

講演(18:50〜19:20)
塚川先生
塚川先生
座長 東京女子医科大学病院 薬剤部
   塚川 麻利子 先生
金子先生
金子先生
「フェンタニル貼付剤を再考する! 」
演者 慶應義塾大学病院薬剤部 緩和ケアチーム専任薬剤師
   金子 健 先生

特別講演 (19:20〜20:30)
橋口先生
橋口先生
座長 慶應義塾大学病院 緩和ケアセンター長
   橋口 さおり 先生
石川先生
石川先生
「小児緩和ケアの理解に向けて 」
演者 明治薬科大学薬学部 教授
   石川 洋一 先生

第9回 城西緩和ケア講習会が11月8日(木)午後6時45分より新宿住友スカイルームで開催されました。

はじめに、当院の緩和ケアチーム専任薬剤師である金子健先生より、2010年6月にフェンタニル貼付剤(1日製剤)発売され8年が経過し、新しい規格が発売されるため、あらためてフェンタニル貼付剤を考えるきっかけになる内容でした。具体的には、フェンタニルの副作用、貼付剤の使用方法、注意点だけでなく、貼付剤のはがれやすさ、体温による薬剤吸収率の違い、半面貼付でのドレッシング剤の選び方などを、文献や症例を交えて分かり易くご説明していただきました。明日から病棟で実践できる内容も多く、フェンタニル貼付剤を多様な角度から見直せる機会となりました。

また、今回の特別講演では、明治薬科大学薬学部 教授の石川洋一先生に「小児緩和ケアの理解に向けて」についてご講演頂きました。先生は昨年まで国立成育医療研究センターで薬剤部長をされており、小児医療の現実を実体験と共にお話しくださいました。

私は普段、子供の目線を気にしていないで、小児患者さんと接していることに気づかされました。小児医療では、子供が色々な検査や治療を受け入れてくれるように、大人が考えることが大事で、病院は我慢するところではなく、もう一度来たい場所にする、そんな病院を一から作り上げられた貴重なお話を伺いました。日本は子供の割合が世界的に最も低いので、まだまだ小児医療に対する行政の対応は乏しいとのこと。数が少ないからこそ、国の未来を創り明日を担う小児に対してもっと私たちは考えていかなければいけないと感じました。そして、その中の小児緩和ケアはまだまだ医療として曖昧なことがたくさんであるということ。石川先生の濃密なお話の中で一つ「大人の緩和ケアと少し捉え方が異なり、小児の緩和は、患者は人生が始まり人生のスタートのところを生きていて、また成長をしていく過程の時期であり、終わりはなく、幸せに生き続けていくために緩和ケアというものが必要である、たとえその命が長くても短くても医療と関わったそこから緩和が必要となる。そして、小児緩和ケアは「家族」という考え方が大切で、本人、家族、兄弟がどう考えているのか、家族ごと医療に取り込んでいくことがとても大切である」と仰っていたことがとても心に残りました。これからの取り組みの目標にさせていただけるような、とても前向きになるエールを送っていただきました。

慶應義塾大学病院 薬剤部 若山みどり

左から、金子先生、石川先生、塚川先生、橋口先生
左から、金子先生、石川先生、塚川先生、橋口先生

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