緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2023年

2023/2/10
緩和ケア便り 2月号

慶應義塾大学医学部医学研究科 博士課程
がんプロフェッショナルコース1年生
慶應義塾大学医学部 外科学教室(一般・消化器)
古部 快

この度、がんプロフェッショナル養成コースの一環で、1か月間緩和ケアチームで研修させて頂きました。平素より緩和ケアチームの皆様にお世話になることが多々ありましたが、実際に緩和ケアチームとして研修させていただき様々な学びや気づきがありました。

当院の緩和ケアチームは様々な分野のエキスパートから構成されており、患者一人一人にとって最善の緩和ケアを提供できるよう日々ディスカッションが行われています。患者が現在感じている苦痛を、患者の言葉や表情、バイタルサインや身体所見、看護記録などを元に総合的に判断し、どのような思考過程で治療を提案しているのかを学ぶことができ、大変貴重な経験となりました。

消化器外科の診療を行うにあたり、がんの根治的治療や急性期治療が最初に思い浮かびます。しかし、がんの診断を受けた患者はその時点から精神的・身体的・スピリチュアルな苦痛も感じています。我々消化器外科医は、それらを早期に評価し対応することで、患者だけではなく家族を含めた苦痛の緩和や予防を行っていく必要があると感じました。

また超高齢社会である日本において、今後緩和ケアの需要はさらに増してくることが予想されますが、緩和ケア専門医の人数も限られており、オンコロジーに携わる医師は緩和ケアに関する知識をより深め、病気に対する治療を行うのと並行して自ら積極的な早期緩和ケア介入を行っていくべきだと考えます。

最後に、日々お忙しい診療の中、丁寧にご指導して下さいました緩和ケアセンターの皆様に心より御礼申し上げます。今回の研修を生かして今後の消化器外科医としての診療に邁進していきたいと存じております。

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