緩和ケアチーム便り

緩和ケアチーム便り

2011年

2011/08/19
緩和ケアチーム便り

精神神経科 専修医2年 辰巳 礼奈

思えば、まだ医学部の5年生の頃、臨床実習で見学した緩和ケア病棟で、持参した椅子に座り込んだ精神科医と笑顔で語り合う患者さんの姿を見て、緩和医療をいつか経験したいと思ったのでした。あれはある意味、私の持つ精神科医のイメージの原点なのかもしれません。
3ヶ月は緩和医療を経験するというにはあまりに短い期間ではありますが、この4月から6月に緩和ケアチームでの研修の機会をいただき、とても貴重な時間を過ごすことができました。

ともすれば、疾患とその治療だけに目がゆきがちな現代医療において、医者が病気と闘うのではない、病気と闘うのは患者さんであるということを、改めて感じる3ヶ月でした。お一人お一人で求める医療はそれぞれ。その方に合った医療を受けていただくお手伝いをするのが、私たち医師の役目であると思います。慶應の緩和ケアチームは、スタッフそれぞれが智恵を持ち寄ってその実現に日々努力していることが、何よりも素晴らしいあり方だと感じました。

今はまた、一般精神科医療に戻って仕事をしております。どこにいっても医師としてあるべき原点は変わらないなと、緩和ケアで教わったことを胸に、日々勉強をさせていただいているところです。

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